乗りテツは北にいる(Epithode 9 : 駅の宿の一夜 )

比羅夫駅。
真っ暗な中、降りたのは俺だけだった。

駅だが宿。いや、駅が宿。さすがに「駅の宿ひらふ」というだけある。

全国的にも有名な宿なのでわざわざ私が説明するほどでもないが、それを忘れて予約を入れていた。理由は簡単で、函館から稚内(あるいはその逆)を普通列車で走破することと、とあるレアな特急に乗ることをどう両立させるかを考えるとほぼこの宿しかなかったからだ。倶知安でもよかったが駅から遠かったし、ここに比べると高い。
それだけでここに宿をとったわけで、この宿に思い入れがある諸兄から見れば相当罰当たりな宿泊をしてしまったことはチェックアウトをしてから気がついた。

まぁ、この宿を利用される方は「テツ」か「山」が目的であることが多いようで、特に「山」の方だと早朝出発は珍しくない。でも私のように終電で到着して始発で出て行くような輩は少ないようで、当日も後ほどの周りの反応も「それはもったいない」という意見が大勢だった。(いや、私もそう思う)

そして、駅と駅の宿と駅の宿のコテージ以外には他に何も見えないので、いそいそと駅の宿の扉を開ける。

開けたら見えたのはテーブルで、先客が談話の真っ最中だった。テーブルに時刻表が載ったりしているところがこの宿らしい。
マスターは中にいなかったようで、テーブルで談話していた方々が呼んでくれた。

いろいろ説明していただいて、案内された寝床は2階の、ホームサイドの部屋の下段。
なんだよ一番いい場所じゃねぇか!

荷物の整理をしてもろもろ機器の充電を始めると列車の音がする。
窓からホームを見ると、小樽方面行きの最終が停まって、出て行った。

通り過ぎると駅の明かりだけがぼんやりとホームを照らしている。

階下に戻るとまだ少し談話が進んでいるようだったので参加させていただく。
少し話を聞いているとこちらに話を振られたので少し今回の旅のことを話すと、「今それは流石に無理だと言っていたのに実際にそれをやる人がいるとは」と言われ恐縮至極。
しかもそのうちのお2人は某鉄道会社の運転室の中の人だったらしい。いつもの仕事のお話も聞けたが、やはり到着時間が遅かったこともあって風呂の時間に。

お風呂はリニューアルされてて、水周りが気になる人も(虫以外は)問題ないはず。

ゆっくり寝て、朝6時前に起きる。
始発に乗らねばならないので残念だが散歩や朝飯の時間はない。
準備をして下に降りるとマスターは朝食の準備中だった。

しばらく室内を見ながら時間を待っていたが、ちょっと外を見たくなったのでマスターにご挨拶をして外に出た。さすがに朝は涼しい。

いつもは見送りに出られるらしいがまぁ、無理でしょうねぇ、朝食の準備中だし。
と思ってたら列車が来た。長万部行き。いそいそと空いた車内に乗り込む。

今度はゆっくり来よう。

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