いま、自分はとんでもないものを「体験」している(1)

シン・エヴァンゲリオン劇場版

さて、「シン・エバンゲリオン劇場版」の話に「エントリー」していくのだが、その前にまだ回りくどく話しておくことがある。

最初はIMAXでも4Dでもない通常の上映を、新宿のバルト9で観ようと決めていた。

なぜなら、その選択が25年のエヴァに対する「礼儀」ではないかという気がしたからだ。
リアルに体験したわけではないがバルト9はこれまでさまざまな形でエヴァの企画に使われてきた場所だし、それを反映してか、スタッフの直筆寄せ書きポスターも置いてあるというし。(ずっと東映系での公開だったということもあるだろう。それにバルト9は立地的にもアニメに強そうな劇場だというイメージがある)

もっとも、「通常の」に関しては、バルト9にIMAXや4Dはないので一択なのだが。

というわけで、諸事情があって有休を取った、公開5日目の朝イチの回を取った。7:40開始という通常は考えられない時間だが、東京は当時「20時終了」の制限がかかっていて、1スクリーンで4回回すとしたらそれぐらいに開始しないと間に合わない、との計算に基づいた開始時間のようだった。

まぁ、当日大阪に行かねばならなかった私には逆にうってつけの時間だったから、予約開始直後に喜び勇んで予約したのだが、…

…あろうことか寝坊した。いや、正確には「ものすごく微妙なギリギリの時間に起きてしまった」。


行けなくはないが、待ちに待った映画の初回に、そしてその後関西まで移動するのに起き抜けの状態で息を切らして汗だくになって走って行きたくはないじゃないか。

…数十秒の葛藤ののち、私は8:15の回を予約し直していた。(7:40の次が8:15という、通勤列車でもなかなかない過密上映スケジュールだったのが幸いした)

幸い、余裕を持って間に合った。意外にロビーは空いていて、パンフレットも手に入った。

今はそれでいい。

肝心の本編に関してだが、「最初から最後まで興奮というわけではなかった」が、まず出てきた時の感想だった。「Q」のようなことはないと想像していて、それはその通りだが、「破」のような高揚感もなかった。

むしろ、「第3村」パートでは「もう1度観る必要があるか、この映画は…?」と自問したことは覚えている。

…後から考えれば、まだ頭が起きていなくて話の流れについていけてなかったのでは、としか思えないが、エヴァには珍しく「心地よい」場面であったこともあるだろう。
普通に見ていればその中にも様々な伏線やその回収等々があったはずだが、ボーっと観るとそれは流れてしまう。(注記しておくが、特に注意を凝らすでもなく普通に見ていれば判るはず…。だから「頭が起きていなかった」のだろうと思っている。)

というわけで、ラストの展開には驚きつつ納得しつつ、「あれ?これだけだっけ?」感に囚われてしまった(そしてそれが盛大に認識不足だったことに後で気がつく)のだが、それでも思ったのはこんなことだ。

まず、葛城ミサトの「手のひら返し」と呼ばれる例の展開(「破」の最終版で「行きなさい!(以下略)」と言った直後の「Q」冒頭部で「あなたはもう、何もしないで」と言い放つ件)が、あれはネタにされてた単純な手のひら返しでなく、「シンジにあまりに多くのものを背負わせすぎた悔悟」と「自分がその責任を取る」というのが「もう、シンジにはエヴァに乗せるようなことはしない」という意思になって表現された態度であることがはっきりしてホッとした、ということ。当たり前っちゃ当たり前で、かつ、結局シンジはエヴァに乗るのだが。

次に、率直にあのラストは驚いた。だが、違和感はなかった。マキナミストとしては「そう来たか!」という感じで、正直なところ少し嬉しかった。で、いいなぁ、と思った。(おそらくここは現実と願望を反映している(苦笑))そして、あのドローン映像は引き込まれる。

最後に、想像以上の『テツ』分濃度だったこと。第3村のシーンは診療所に「しんじょはら」との表記があって、かつ最後のクレジットに天竜浜名湖鉄道の名称があったので、いわゆる「天浜線」沿線でロケハンしたことに間違いはないだろう。転車台は新所原でなく天竜二俣にあった気がしたが。

そうそう、第3村のシーンの前に放浪?しているところで鎌倉駅をベースにしたシーンがあるが、その通りなら神奈川と静岡を横断する形で放浪していたことになる。遠いな…

結局、寝ぼけた頭で「うん、完結した」との認識は持った。そして幸運だったのは当日21時からのMX4Dの上映をすでに大阪で予約していたこと、そしてそれまでに有り余る移動時間を鑑賞したものの反芻とパンフレットの読み込みに使えたことだった。

むろん、その日が変わる頃にはこの映画の評価が全く変わっていることは、見終わって湘南新宿ラインに乗った時点では想像できなかった。

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