[ asa-mise 01] Cafe MERCADO

阿佐ヶ谷の夜は早い。いや、阿佐ヶ谷カフェの夜は早い、というべきか。

大体の店は19時か20時あたりで閉まってしまうので、カフェ巡りをしようとするといきおい土日ということになるが、土日はどこも混んでいる。混んでいるのは嫌いだ。

まぁ、そう言いつつ、地元なので空いている時間を選んで入ったりするのだが、一番いいのは平日の昼下がり、それも15時過ぎたランチタイムも終わった時間あたりに入ることだ。阿佐ヶ谷ぐらいの環境だとたいてい空いている。

そんなわけで、たまたま休みが取れた火曜日の午後、15時過ぎに入ってみた。

以前から気になっていたのだが、気がつくと見逃してしまうのだ、この店。階段で2階に上がること自体が原因の一つだが、飾りのないメニューと小さな小さな店標。あんまり気軽に入ってくると怪我するぜ、という感じでもある。

軽く意を決して2階に上がる。そして上がって右の入り口をくぐる。

入ると、マスターは洗い物をしていた。
入り口から見て右手が窓側でテーブル席、左側、奥にカウンターとオープンキッチン。

シンプルな内装だが、調度品はシンプルながら凝っている感もある。余計なものに煩わされたくない人には心地よい空間かもしれない。

マスターに会釈をして、洗い物に手が離せなさそうなので勝手にテーブル席に向かう。
席についてしばらくしてマスターがメニューを持って来た。

注文するのはブレンドのマイルドと決めていたがメニューを一瞥する。
その間マスターは隣のテーブルを拭いている。

拭き終わってマスターはカウンターに戻ろうとした気がしたので、少し焦ってブレンドのマイルドを注文した。
一度戻ってしまうとその場では注文しづらい程度の距離感がある。もう一度来てもらうまでもなかったからだ。

マスターはメニューを引き取り、カウンターに戻っていった。カウンターに背を向けて座ったので様子はみえないがお湯を沸かし出したのが聞こえる。

私の他には勉強中と思しき学生さんが一人いるだけだ。
合わせて3人いるだけの店内には少し大きめな音楽がかかっている。おそらく半分ぐらい埋まって話し声がし出すといい感じの音になるに違いない。

お湯を沸かしている間もマスターは洗い物をしていた。そこそこお客さんが入っていたに違いない。

テーブル越しに商店街の向こうの大通りに出る路地が見えるのだが、その行き来を眺めているうちにコーヒーが来た。
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熱めのマイルド。本を読みながらにちょうどいい、と思ったが、肝心の本の中身がなかなか頭に入らなかった。それはコーヒーや環境のせいではないのだが。

飲んでいる途中で常連と思しき客が入って来てカウンターに座った。その頃には学生さんらしき人は帰っていた。だからだろうか、常連さんはマスターと話をしている。

話と音楽をBGMにしながら活字を追う。

入り口のドアも開いているし特に変わった空間でもないが別の空間にいる感は確かにある。
それは愛想を売るわけでもないマスターの自然な対応で会計を終えて階下の商店街に戻った際にも改めて思った。

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