乗りテツは北にいる(Epithode 14 : 潮混じりの横風に煽られる)

2017/9/13、早朝。
釧路駅前についた。やはり駅前のバスターミナルには入らない。(前回参照)

釧路でやりたいことはいくつかあるんだが、いずれにしても早すぎる。


そうなると選択肢に上がるのは「東か、西か、北へ列車に乗る」(これなら追加で金がかからない)と三択だが、そのうち「北」は明日の予定なので外す。東か西かでいうと、今回の流れ的にはやはり「ノサップ」だろうとということで、根室へ向かう。

「じゃぁなんで最初から根室行きの夜行バスに・・」という話は無しだ。

花咲線、根室行き。予想通り空いている。おそらく進行方向向かって左も右も(つまり大枠北も南も)車窓には事欠かないので、往復で座る場所を変えて対応することにする。行きは海側、いや、太平洋側。

9月だというのに、というか、もう9月なので日光サマのあたりは鈍く、霧多布もようやく光が入るか入らないかの感じで通過。そして日が昇ると同時に天気が悪くなるという日頃の行いを後悔させるに十分な雲行き。

霧多布
霧多布。

根室駅に着いた時には雨らしきものも混じり、結構天候も悪くなっていたが、しょうがない。他に行くところも無し。
(バスターミナル内に売店はあるがコンビニ等はないので朝晩で行く際は釧路で調達しておくべし)

周遊バスもあったのだがあまり気乗りがせず、路線バスで納沙布岬に行くことにした。

路線バスはほぼ岬めぐり(古い)の者どもを乗せただけでずんずん東へ進んでいく。
稚内と違うのは、根室は岬が終点だ、ということで、そのあたりも寂寥感を増す要因でもある。

岬に着いた時には潮風混じりの横殴りの雨に変わっていた。傘もさせやしない。
かといって昼でもないので食堂などは空いてない。
3分ほど歩いたところに展望台らしきものがあるがそこから見てもこの天気では・・。
諦めて岬のモニュメント巡りをする。

そうそう、ここで言っておきたいのだが、この納沙布岬を「日本最東端」などと言ってはいけない。現地に行くとその理由がよくわかる。いうなら「本土最東端」である。

そしてここは正直なところ(突端の灯台と風景と気候を除けば)観光地ではない。
観光としてふらっと行くにはあまりに「念」が強すぎる。

そんなことを台風並みの潮と雨の混じった強風に煽られながら(そういう環境だったからかもしれない)延々と海沿いに続く石碑を眺めていて思った。

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それにしても寒い。

唯一空いている土産物屋に入って風を避けようとしたが、土産物というにはプロパガンダな諸々に、そしてはるか札幌あたりの土産物まである商業的しぶとさにやられて、退散した。

時間はまだある。しかし寒いのだ、9月だというのに。

資料館に入る。

もちろん北方領土との関わりを示す諸々、そして返還運動の諸々が置いてある資料館なのだが、こちらの方がよほどマイルドだった。(資料館だからね・・)

もう一度外に出て、思想的には「千島列島全部が日本領じゃないのか」という某赤い旗の政党の主張
(「択捉島、国後島の南千島はもちろん、千島列島全体が日本領です。日ロ間で結んだ樺太・千島交換条約(1875年)で画定されています。」と某党のWEBに書いてある。)
に一番シンパシーを感じる立場ではあるが、伝え方として岬の諸々の主張の仕方はもう少しなんとかならんかのう、と思いながらウロウロしてるうちにバスが来た。

心なしか天気が戻り・・
心なしか天気が戻り・・

バスで戻る最中に駅近くでコンビニを探したがやはりない。
駅に蕎麦屋があるが空いてない。
釧路で飯を食うことにしてそれまではバスターミナルの売店で買ったパンを食べてしのぐことにする。

帰りは進行方向向かって右側、大きく見るとオホーツク海側だが実際は陸側に席を取った。
午前もやや遅い列車なのでそこそこ人は乗っている。
根釧台地の途方もない開拓地と原野のまだら模様に目を奪われつつ、朝方の天気が災いして窓の状態が良くない(つまり水滴などが着いて汚れてしまっている)ことに少々運の悪さを呪ってみる。

原野を走りきって突然街並みが出現して、ショッピングセンターの裏口のような東釧路をすぎるともう次は釧路駅。
雄別鉄道の名残の地下道行き止まりを(よく残っている。もう廃止されて40年だ)眺めつつ、もう一度釧路駅を出る。

朝も合わせた昼飯は駅ナカの蕎麦にした。(前回もここで食べた気がする)

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