船上では思うように過ごす、それが “Ferrydom!!” (2018冬の北九州ツアー:1)

昨年9月の北海道行きでふたたびフェリー旅の味をしめた私としては、夜の間に関西から九州への移動が必要となるとやはりそれを検討せざるを得ない。

年明け間もないとある土曜日。
所用で神戸方面へ出かけた際に、それに合わせて九州まで行ってしまおうと思ったのは、ただ単に週明け月曜夜の福岡→成田のLCCチケットをバーゲンで手に入れたから、ではあるが、しばらく西へは行ってなかったのでそろそろ行ってたいと思ったからでもあった。
そして関西からフェリーで九州に行こうとすると出港地は大阪南港か泉大津か六甲アイランドになる。今回は日中神戸にいたので六甲アイランドからの乗船にした。

ということで夕方、もう日も落ちようかという18時。JR住吉駅に着いた。
連絡バスがあるのだが、どこから乗っていいかわからない。駅改札前にはフェリーの宣伝看板はあるのに乗り場案内がない。跨線橋には案内があるが階段を降りた後に案内がないし駅前ロータリーには何もないので焦った。結局、少し歩いて国道まで出て行ったところにバス停があった。

このあと、六甲ライナーのアイランド北口駅を経由してターミナルへ。
フェリーさんふらわあの大分行きにするか阪九フェリーの門司行きにするか迷ったのだが、出航時間や到着後の予定を考えると阪九フェリーで行くべき、との結論に達した。
連絡バスは共同運行っぽい形態だしターミナルは隣り合っているので、もし今度さんふらわあに乗るとしても同じように行けば良い。

阪九フェリーのターミナルはわりと素っ気なかった。そしてフェリーもさんふらわあほどには派手ではない。しかし、ターミナルの裏に回って船体を見た瞬間に、とあるアニメのテーマ音楽が脳裏を巡った。船名が同じだけなのだが。

寒いのでさっさと待合に上がる。売店も素っ気ないがタイガースの旗がここが神戸だと実感させる。そしてゆるキャラ「ふねこ」の脱力具合と「Ferrydom!」ポスターのコミカルさが関西だ、うん。嫌いじゃない。

とかなんとか思ってるうちに乗船時間になった。今回は個室を取ったので案内所で鍵をもらってから同じフロアを前の方に進む。割と前の方に予約した部屋はあった。

入ってみたら意外に広い。12時間の船旅には勿体無い気もするが、存分に使わせていただくことにしよう。なにより、個室には消灯時間がない。

何せ神戸だから出港はデッキで眺めることにした。やはりなかなか美しいが、もう少し明るい方がもっといいんだろうか。春か秋あたりにもう一度、という気もする。
一度部屋に戻って準備して風呂に入る。このスケジュールだと神戸空港沖は風呂なんだが前日に風呂に入ってないのでしょうがない。とにかくさっぱりしたい。

ferrydom01_akashi

そういうことでゆっくり入って風呂から上がって、マッサージチェアでくつろいでいたら、そろそろ明石海峡大橋の下をくぐるという。いや、まだマッサージチェアの200円を消化してないんだけど、と思ったが一時停止ができそうなので試してみる。
なんとか通過後の撮影はできたが、ちゃんと写っているだろうか。(その心配は杞憂だった。EXPERIAおそるべし)

さて、今回の行程をフェリーにした理由はもう一つあった。本が読みたかったのだ。
ここのところ、何年かぶりの読書熱が盛り返していて、まとめて本を読む時間が欲しかったのだ。夜行バスではなかなか難しいが、飛行機で移動してしまって前後の時間で、とか、列車の中でなら読書はできる。でもまとめて、となるとなかなかフェリーに勝る時間の取り方はない。そこで「読書時間」を計算してあえてフェリーを選んだのもあったのだ。

先に感想をあげてしまっているが、読んだのは沢田瞳子さんの「火定」。
「やまと」の中でこの本を読みふけるのは偶然だが何か繋がりがあるような気がして嬉しい。かどうか、はたまたテレビ以外に何もない個室だからかは知らないが、2時ぐらいには読み終えてしまった。
なんというかFerrydomである。

冬だが瀬戸内の海は穏やかで1時間に1回か2回ぐらいしか気がつくような揺れがない。
安心して眠れそうだ。

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