乗りテツは北にいる(Epithode 7 : 怒涛のごとく淡々と、南へ (その2) )

列車はまだ天塩川と絡むように南へ下る。

そしていくつかの駅を経て音威子府。
すでに下り普通列車が停まっている。

名物の蕎麦を食べたいところだが、停車時間は3分。持ち帰るのも難しい。
かといって一度降りてしまって次の列車に乗ると目的地に着けない。
つまり涙を飲んでここはそのまま通過する。(また来るしかない)

音威子府駅。
音威子府駅。

この行程を選んだ当初から判っていたことだが、それでも実際に音威子府駅まで来て蕎麦にあり着けないことを実感するとモチベーションが下がる(苦笑)
かどうか知らんが、音威子府から名寄までの写真がほとんどない。
おまけに記憶もない。もしかしたら稚内で買ったこの新聞を読んでたのかもしれない。(これはこれで私にとっては大事なニュースなのだった)
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感動。

で、名寄に到着。旭川行き快速「なよろ」に乗り換え。

稚内ー旭川を直通する普通列車は減ったし、そもそも名寄を境にして本数が全く違うので、名寄では一度乗り換えることになる確率は非常に高い。で、稚内で乗ったようなつもりで乗り換えたら勝手が違った。高校生が大勢乗り込んでいたのだ。
いや、この表現は正しくない。高校生が主客であるところに我々鉄オタが割り込んだというが正しい。何せ、現代の北海道では高校生なしに鉄路は維持できないのだ。
ということで鉄路維持の担い手に敬意を評しつつ、安旅乗り鉄はできるだけ邪魔はしないように、しかし窓際の車窓だけは得させていただくことで折り合いをつける。
意外と長く乗るもんだね、それはそれで鉄路維持には好ましい、とか思いつつ車窓を眺めていたが、士別でみなさんどっと降車された。名寄からはここまでが通学範囲か。まぁ、そもそもこの先は峠なので、という事情もあるだろう。

そのあとは列車はさほど混みもせず旭川市内に入る。

永山を過ぎ、旭川駅高架化で移転した旭川運転所と隣接する北旭川駅あたりまでくると、これまで見たことのない都会な(笑)風景が広がる。さすがに旭川。で、高架になって、旭川四条から終点に到着。
そういえば、この高架の旭川駅に降り立った記憶はない。そして窓越しに見た外の風景すら変わっているので、何も知らずに連れてこられたら、もしくは窓越しの漠然とした風景だけを見せられたら、これを旭川だと断言できるかどうか。

いや、そんなことを思いつつ、そんなことにかまけていられない事情があった。
ここまで停車時間が短過ぎて昼飯を調達できていないのだ。稚内から名寄に向かう車中で食べた弁当は昼に近かったが、あれは今日最初の食事で、かつ、これからも乗り継ぎ時間に余裕がない行程を組んでいるので、ここで買っておきたかった。
ところがホームに売店がない。
特急が発着するホームならありそうだが、それもわからない。
ということでエスカレーターを降りてみたが、そこは乗り換え用の通路と案内所があるだけで改札はもう一段降りないといけない。で、見渡した限りどこには売店らしきものはなかった。降りてしまえばイオンにつながっていることは判っているので時間さえあればどうにでもなるのだが。
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仕方なく飲み物だけ買って乗り継ぎ先の電車(正しく電車である)に乗る。
乗り継ぐのは721系。JR化後の車両である。しばらく来なかった身にしてみれば、「(いい意味で)え、ここにこの車両が!」なのだが、考えてみれば「赤電」こと711系はすでに引退してしまっていて、一般型の電車はこの721系が最古参になる。時間も経ったものよなぁ、とか思いながらしかし、居住性はおそらく、未だにJR北海道の普通車で最高だと思うので実は嬉しかったり。
まぁ、そんなこんなで函館本線に突入する。
神居古潭を抜けると石狩平野に入っていくがさっきまでとは速さがえらい違いで特急にでも乗っている気分だ。稚内からこのスピードなら函館まで1日だろうな、とか思いつつ。

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