津軽は端だが旅に立つ(9:リゾート乗りテツ|3)

三厩駅。本州の北端。大湊とどっちが北かは知らない。でも佇まいからいうとこちらの方が本州の北端にふさわしい、と思う。海峡の向こうへの希望は新幹線にくれてやれば良い。
屋根ひとつない最果て感満載のホームに、まだ最新鋭と言っても良い派手な色分けのハイブリッドリゾートトレインが、しかし2両で停車する。最果て感ぶち壊しだ。でも季節は夏である。そんな三厩もまた楽しからずや。


外ヶ浜町の観光協会のお姉さま..が乗客(いや降客か)一人ずつにパンフレットの入った袋を手渡している。しかし相手は鉄オタ、無人駅だということもあって、あちこち撮影して回るのでなかなか駅舎の方に来ない数名を辛抱強くお待ちになっていらっしゃる。あぁ、「リゾートしらかみ」みたいな客層なら、この方の仕事ももっと楽しいだろうに、などと一瞬頭をよぎる。
駅舎は平屋のなかなか愛らしいというかこじんまりとした作りで、そこそこ綺麗にしてあるので(私でない鉄オタの皆様が)三々五々ベンチに座ったり中を撮影したり好き勝手にやっていらっしゃるが、まぁ全体的にはおとなしい。

 
三厩、といえば龍飛だろう。それはイメージ通りだ。それを裏付けるように外ヶ浜町の案内板は龍飛推しである。食堂などの案内も丁寧に載せてある。そして列車に合わせてか町営バスも来た。これが2時間待ちなら少し足を伸ばして、というところだが、折り返しの発車まで、まぁ30分ほどしかない。いろいろ残念なことではあるが、2時間あってもこの(私を含めた)鉄オタ一行は龍飛へ行くだろうか。半分ぐらいは駅周辺でぶらぶらしてるのではないか、そんな気がした。

龍飛岬の方へは上のバスの写真の奥の方へ行く。では反対側はどうかというと、

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なんか落ち着くのは気のせいか

これが秋か冬の夕暮れで、リゾートトレインでなく国鉄型ディーゼルカーならどういう光景になるか、皆様のご想像通りである。旅情あり過ぎ。町としてはもう少しなんとかしたい感。
しかし、新幹線から30分もしない場所にこれがあるのは、随分と貴重なのでは。
なんてことを思い、ブラブラしつつホームに戻る。
 
三厩andあすなろ
小海線と騙っても気づくまい(ぇ

この後も散々撮るんだが(だって八戸までこれにしか乗らないのだ)まぁ場所ごとの1枚があってもよかろうと撮影する。このアングルだと本当に人家や道路、海が見えないので高原リゾートみたいだが、駅から数分歩けば海に突き当たるような、どっちかというと、と言わずとも海沿いの駅である。
こんどは大湊行きとなって折り返す。「三厩発大湊行き」というのが列車設定上の最大の見所である。半島の突端から付け根を経由して、(青森で向きが変わるので)W字の形で走る。

なんどもいうが車内はすこぶる快適である。適度に空いてるし、青森まではさっき通った経路だ。海側と山側の両方を往復で撮ろうという猛者もいるし、乗ってるだけでいいから眠たきゃ寝る、という手合いもいる。私は行きで撮りそびれたところを撮影する以外はぼーっと外を眺めていた。それも鉄旅だ。かの宮脇俊三氏も、鉄道の旅は「居眠りも醍醐味」と言ったとかなんとか。
小一時間でさっきの旧青森車両センター脇を通り青森駅に到着。
列車名も何も変わらないくせに1時間以上も停車するのでみんな昼飯やら買い物に出てしまって、まるで終着駅の様相だった。私も駅ビルの「ラビナ」まで行って、お昼と夕方までの食材と飲料を買いだしてくることにする。

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